立教大学環境学部開設準備室と宮崎大学農学部の研究グループは、神奈川県横須賀市佐島漁港で水揚げされたテーブル状サンゴを形態学的および遺伝学的に同定し、日本国内における南方系ミドリイシ属サンゴの公式な最北限分布記録を更新した(掲載誌:Galaxea, Journal of Coral Reef Studies)。
確認されたのはエンタクミドリイシ(Acropora cf. solitaryensis)2群体とミドリイシ(A. aff. divaricata)1群体で、最大直径35 cmに達する群体も含まれる。いづれも採取水深は3〜5 mであったが、現地では直径 60cm級のサンゴも確認されており、相模湾で10〜30年にわたり冬を越えて生存してきた可能性が示唆された。
同種の北限記録は太平洋側では千葉県館山市、日本海側では長崎県対馬市だったが、今回の発見はさらに高緯度(35°22′ N)であり、温暖化に伴うサンゴ分布拡大を裏付ける重要な証拠となった。サンゴは海洋環境の指標生物であり、相模湾で大型の南方系テーブル状サンゴが生育している事実は、この海域の環境が過去10年で大きく変化したことを示す。
研究グループは「今回記録された北限のミドリイシ属サンゴと、ストレス耐性の高いサンゴを比較することで、水温など環境要因への適応メカニズム解明に役立つ」、「今後は、サンゴの北上と漁業対象種の変化を沿岸生態系全体の変化として把握することが重要である。」と述べている。
| 情報源 |
立教大学 ニュース&イベント
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| 機関 | 立教大学 |
| 分野 |
自然環境 |
| キーワード | 温暖化 | 沿岸生態系 | 相模湾 | 分布拡大 | 北限記録 | 漁業資源 | 適応メカニズム | ミドリイシ属 | エンタクミドリイシ | テーブル状サンゴ |
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