(独)国立環境研究所は、インターネット上のライブ映像を活用して、多地点における植生フェノロジーを自動的に把握できることを実証したと発表した。フェノロジーとは、生物の季節変化、及びその学問のことで、植物のフェノロジーは、主に、開葉、開花、紅葉、落葉などの季節変化を指す。同研究では、環境省公開のインターネット自然研究所(http://www.sizenken.biodic.go.jp/)のライブ映像を用いて、全国7か所の国立公園で撮影された8年間の毎日の画像を詳細に解析し、画像に含まれる赤緑青の色を表す値(RGB)から、特に緑の量を表す指標を算出した。算出された指標は、生態系の種類や樹種ごとの実際のフェノロジーの時間的変化をよく反映し、台風による被害の検出や、全国の森林における開葉日を推定することに特に有効であることがわかったという。この手法を用いることにより、世界の植生におけるフェノロジーを統一的な視点から客観的に観測することが可能となることから、今後は地球規模のフェノロジー観測への応用が期待されるという。