川崎重工業(株)は、超電導モータを用いた高効率の電気推進船の実現に向け、メガワット級超電導モータで国内最高出力(450kW)を達成したと発表した。近年、船舶分野では、環境負荷低減やエネルギーの多様化に対応するため、電気推進船の導入が始まっており、CO2削減に向けたさらなる燃料消費の低減に応える技術の一つとして、超電導モータが注目されている。超電導とは、物質の温度を超低温まで冷却したときに電気抵抗がゼロになる現象のことで、様々な装置の高効率化に寄与すると期待されている。同社が開発した超電導モータは、従来のモータと比べて半分程度の大きさに小型化することが可能であり、今回、1MWの出力を想定した試作機で実証試験を行った結果、国内最高出力となる450kWと非常に高いモータ効率98%を達成した。同社はすでに、次のステップとして3MW実用機の開発に着手しており、今後、大型船などに適用可能な、高効率でCO2削減が可能な超伝導モータの実現を目指すという。