川崎重工業(株)と川崎汽船(株)は、船舶のCO2排出を減らす可変タービン技術の長期実船運用試験を開始すると発表した。地球環境保全活動の高まりを受けて、国際航海に従事する船舶は、国際海事機関(IMO)により2013年から段階的にCO2排出量を低減することが求められている。今回運用試験を実施する「可変タービンノズル型過給機」は、主機関の燃焼効率を高めることによりCO2の排出量を削減する新技術。過給機内のタービン静翼の角度を自由に変えることにより、幅広い負荷域で最適な空気圧力を主機関に供給できるため、高効率な燃焼を実現することが可能となる。主機関の陸上試験運転では、同過給機の採用により、常用負荷を含む部分負荷全域で1~2%以上のCO2排出量および燃料消費量の低減を確認している。両社では今後、85,400トン型石炭専用運搬船(2012年3月8日就航)による長期の実運航において、性能評価および耐久性の確認を行うという。