グローバルカーボンプロジェクト(GCP)は、2009年における世界の化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)排出削減量が予測値(2.8%)を下回り、前年比1.3%にとどまったと発表した。GCPは、地球規模の炭素循環を研究する国際研究プロジェクトで、(独)国立環境研究所と豪州連邦科学産業研究機構に事務局が設置されている。GCPでは、CO2排出削減量が小幅にとどまった原因として、1)国内総生産(GDP)の減少が予測を下回ったこと、2)世界の経済活動における炭素集約度(GDP単位あたりの化石燃料由来のCO2排出量)の改善が予想より進まなかったこと、3)CO2排出地域が大幅にシフトし、日本、ヨーロッパおよび北米での減少幅が大きかった一方で、新興国(中国、インド等)ではCO2排出量が大幅に伸びたことをあげている。また、国連食糧農業機関(FAO)の最新データをもとに、土地利用変化によるCO2排出量については、熱帯雨林での伐採の減少や温帯地域での森林再生の拡大により、確実に減少していることが示され、前回予測から下方修正がなされた。