(独)国立環境研究所は、北極圏における15ヶ国・30ヶ所の観測点で実施されたオゾンゾンデ観測(気球を用いたオゾン量の直接観測)により、2011年の冬から春にかけて、北極圏上空で史上最大のオゾン破壊が進行中であることが明らかになったと発表した。モントリオール議定書に始まるフロン類の排出規制により、オゾンを破壊する活性塩素の大気中濃度はすでに減少に転じている。しかし、2011年冬は、北極圏上空で異常低温が継続しているため、これまでにないオゾン破壊が進行しているという。これまで、北極圏では南極ほど顕著なオゾン破壊が起きてこなかったが、2005年など北極上空の成層圏が低温になった年には、小規模ながらオゾンホール的な状況が現れていた。成層圏の中期予報によると、北極上空の低温や極渦は、今後1週間程度継続するが、4月半ばには極渦が崩壊することが予測される。その際、極渦の中にとどまっていた低オゾンの空気塊が、日本などの中緯度地方にも影響を及ぼし、普段より強い紫外線量が観測される可能性があるという。同研究所では、今後、南極オゾンホールの回復状況とともに、北極上空の様子にも、より注視していく必要があるとしている。
情報源 |
(独)国立環境研究所 記者発表
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機関 | (独)国立環境研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 国立環境研究所 | 北極圏 | フロン | 南極 | 成層圏 | 低温 | モントリオール議定書 | 紫外線 | オゾンホール | 排出規制 |
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