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 (独)理化学研究所、植物が超低濃度の窒素栄養を吸収する仕組みを解明、持続型農業への応用に期待

発表日:2012.01.11


  (独)理化学研究所は、植物が超低濃度の窒素栄養を効率的に吸収する仕組みを、実験モデル植物であるシロイヌナズナを用いて解明したと発表した。多くの植物は、土壌中の硝酸イオンを主要な窒素栄養として根から吸収し、アミノ酸などを合成している。一方、農業の現場では、窒素肥料が大量に使用されているが、その半分以上が農作物に吸収されずに環境中に流出してしまうため、温室効果ガスである一酸化窒素の発生や水質汚濁などの環境問題を引き起こしている。今回の研究では、シロイヌナズナの体内で硝酸イオンの輸送を担う「NRT2.4」というタンパク質が、硝酸イオン濃度が低い環境で増えることに着目し、その体内分布や役割を詳しく調べた。その結果、NRT2.4が側根の表皮細胞内で土と接する側に偏って配置されており、低濃度の硝酸イオンを効率よく取り込む役割を担っていることを明らかにした。今回の知見を応用することにより、少ない肥料でも生産性が落ちず、環境負荷の少ない低投入持続型農業に適した農作物の開発への貢献が期待できるという。

情報源 (独)理化学研究所 プレスリリース
機関 (独)理化学研究所
分野 水・土壌環境
キーワード 理化学研究所 | 持続可能 | 水質汚濁 | 土壌 | 農業 | 肥料 | 植物 | 窒素 | タンパク質 | 低濃度
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