東京大学生産技術研究所は、放射性セシウムイオンの吸着材として、人工青色顔料「プルシアンブルー」を固定化した布を新開発したと発表した。福島第一原子力発電所の事故以降、放射性物質による環境汚染が深刻な問題となっており、なかでも半減期が長いセシウム137イオンを水や土壌から除くことが最重要課題となっている。今回、研究グループは、前処理が不要で簡便な、ライン生産に適した独自の方法により、プルシアンブルーを繊維にしっかり固定した吸着材を作製することに成功。福島県での実地検証の結果、セシウムイオンを選択的に回収する、十分な能力を持つことを実証した。具体的には、布1枚(60cm×40cm、18g)で最大2.5mgのセシウムイオン(セシウム137なら80億ベクレル)を吸着できる。また、約20ベクレルの放射能を示す雨どいの水1リットルに、20グラムの吸着材を一晩浸したところ、放射能は検出限界(8ベクレル)以下になり、飲料水の基準値(リットルあたり10ベクレル)よりも低くできた。同グループでは今後、福島大学、石巻専修大学と共同で、環境省の支援と飯舘村の協力を受けて、同吸着材のさらなる検証と、それを利用した小規模分散型土壌除染システムの構築を行う予定という。
情報源 |
東京大学 記者発表
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機関 | 東京大学生産技術研究所 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 土壌 | 吸着材 | 飲料水 | 東京大学生産技術研究所 | 福島県 | 福島第一原子力発電所 | 放射能 | 放射性セシウム | 除染 | プルシアンブルー |
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