アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、大気中温室効果ガス(GHG)濃度の上昇によって温暖化が進むにつれ、大気中水蒸気が増加し、豪雨が増加・激化するとの研究結果を発表した。この研究は、ノースカロライナ大学の研究所やNOAAの国立気候データセンターなどの研究チームによって行われたもので、GHG排出量がこのまま増加し続けると、21世紀末までに北半球の大部分で起こり得る最大降水量が20~30%増加すると予測している。チームが豪雨発生の3つの要因を大気中の水蒸気、空気の上昇、水平風と特定し、GHG排出による影響について気候モデルデータを分析した結果、GHGの増加によって空気の上昇や水平風に大幅な変化は見られなかったが、大気中水蒸気は20~30%増加し、最大降雨量の増加につながることがわかった。今回の研究結果は、水源管理者、保険、建築部門などによる豪雨のリスクのモデル化や、ダム、貯水池などの設計に寄与するものである。NOAAでは、今後、人命の保護にも役立つよう地方自治体等の設計値に反映させたいとしている。