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 イギリスの科学者ら、降雨量の減少によって樹木が枯死する仕組みを解明

発表日:2015.11.23


  イギリス自然環境研究会議(NERC)の助成を受けた研究チームは、降雨量の減少によって熱帯雨林の樹木が枯死する生態学的メカニズムに関する研究成果を発表した。従来の研究では樹木が乾燥から枯死する仕組みについては十分に解明されておらず、深刻な水不足が続くと樹木は代謝に必要な糖分を生成できなくなり、栄養不足により死亡すると推測されていた。この研究チームはアマゾンの熱帯雨林で13年間にわたる野外調査を実施し、乾燥が樹木の成長率、糖分濃度、水輸送機構に及ぼす影響を継続的に観測した。その結果、糖分濃度は乾燥した環境下の樹木でも通常と同程度であり、糖分の減少が枯死の原因ではないことがわかったという。研究によると、深刻な乾燥下では、樹液に気泡が入り土壌から葉への水輸送機構が停止することから樹木が枯死していることが示された。このプロセスは大型の樹木ほど起こりやすいという。研究チームは、今後数十年間に熱帯雨林の大木が枯死し、枯死した樹木の分解と森林の炭素吸収量の減少から、大気中のCO2量が大幅に増える可能性があると指摘している。

情報源 イギリス自然環境研究会議(NERC) プレスリリース
国・地域 イギリス
機関 イギリス自然環境研究会議(NERC)
分野 地球環境 自然環境 水・土壌環境
キーワード イギリス自然環境研究会議 | NERC | 熱帯雨林 | 枯死 | 樹木 | 吸収量 | 降雨量
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