イギリス気象庁(MetOffice)は、最新の10年予報で、2018~2022年の世界の平均気温は産業化前(1850~1900年の平均)より1℃高くなり、さらに、約10%の確率で、少なくとも1年は1.5℃を超過する可能性があると示した。世界の温暖化を1.5℃に抑える努力を追求するというパリ協定の目標は、あくまで「長期平均」の目標だとしながらも、一時的にはこの値を超過する可能性があるという。同庁の主任研究員は、「過去3年間、世界の平均気温が産業化前より約1℃高くなっているため、この先5年間のどこかで1.5℃を超過する可能性はある」と述べる。また、長期予報の責任者は、「世界の高温パターンは継続的に1.5℃を超えるものとは違う」と述べ、太平洋で大規模なエルニーニョが発生すれば早い時期に単年で1.5℃超えとなりやすいと指摘した。ただし、温室効果ガスの排出が続く中、将来的には1.5℃以上の年が複数現れる可能性は高まりそうだ、との見方を示している。同庁は2017年9月、温暖化の減速期は終わったと報告していた。