アメリカ環境保護庁(EPA)は、大豆へのネオニコチノイド系農薬の種子処理よるメリットを分析し、その結果を公表した。ネオニコチノイド系農薬はアメリカ国内の農作物に幅広く使用されている殺虫剤の一種で、EPAは基準を満たす農薬としての登録更新へ再評価を行っている。その一環となる今回の分析では、害虫防除のための種子処理の有効性の検討や、農作物の収量や品質への影響、および経済的な損益の推定を行った。それによると、多くの科学的文献の精査から、ネオニコチノイド系農薬の種子処理を行った場合の大豆の収量は、害虫駆除を行わない場合と比較して、ほとんどあるいはまったく変わらないことがわかった。これに対し、効果があり費用は同等の農薬が複数存在するという。さらに、ネオニコチノイド系農薬の種子処理は、散発的あるいは予測不可能な害虫被害に対する予防的効果は持ちうるが、この潜在的なメリットはあまり大きくなく、当てはまる状況も少ないという。EPAはまもなくこの分析結果の詳細を官報に公開し、一般の意見を募集するとしている。