都市のバイオ廃棄物(家庭や食品サービス業からの廃棄物、下水汚泥など)のリサイクルを推進するSCALIBURプロジェクトが、EUのホライズン2020の資金を得て活動を開始した。EUでは年間1億トン以上のバイオ廃棄物(1人当たり約200キロ)が発生し、その大半が埋立て処分されている。今回のプロジェクトは、廃棄物管理業者、技術開発者、研究機関が共同で欧州4都市をモデル都市として進めるもので、これまでエネルギーや堆肥に利用するのが一般的だったバイオ廃棄物を付加価値の高い製品(バイオプラスチック、バイオ農薬等)に変える技術を実証し、都市のリサイクル率向上と循環型経済の新たな事業機会創出に役立てる。持続可能な消費生産センター(CSCP)は、まず家庭を対象にゴミ分別の重要性等の周知を図る。スペインのFCC社がバイオ廃棄物の分別に必要なインフラについて都市に助言、スウェーデンのルンド市は技術・社会面の指導を行う。今回示される新技術を欧州全域に拡大するため、eラーニングや情報共有の場なども設けるという。