アメリカ海洋大気庁(NOAA)の地球システム研究所は、1895年以降に起きたアメリカの二大干ばつの記録や気候モデルのデータを分析し、2つのまったく異なる原因を明らかにした。1930年代に中央・北部平原地域で起きた干ばつと1950年代に南部平原地域で起きた干ばつは、これまで、海面温度の変化が原因だと考えられてきた。しかし、今回、10月16日付のGeophysical Research Letters誌に掲載された論文によると、モデルの実験と診断テストを厳密に行った結果、50年代の干ばつは海面温度の変化によるものだが、30年代の干ばつについては海面温度の変化ではなく、大気の不規則な変化が原因と思われることが分かった。50年代の干ばつが起きた南部平原地域は、熱帯太平洋の気象パターンに影響されやすく、北部平原地域より海面温度の変化に敏感だという。実際、50年代の干ばつ中には、大規模なラニーニャ現象が起こっていた。研究者らは、海洋観測システムは、干ばつの早期発見に必要だが、海面温度の変化以外の原因による干ばつに警告を発するのには適していないとしている。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | NOAA | 気候モデル | 異常気象 | 干ばつ | アメリカ海洋大気庁 | 熱帯太平洋 | ラニーニャ | 海面温度 | 海洋観測 | 南部平原 |
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