中国科学院(CAS)は、「パリ協定」で世界各国が目標としたように、今世紀半ばまでに温室効果ガスの排出をすべて抑制し、ネットゼロにすることができたとしても、深海の温暖化や海面上昇などのゆっくりとした変化が、その後も非常に長く続くことになるとの研究結果を発表した。地球の表面の約70%を占める海洋は、陸地に比べて熱の吸収・放出が遅く、質量や熱容量が大きいため、大気や陸地よりも熱を蓄える能力が高い。この海洋の熱的慣性は、海があることで地球はそれほど速く熱くならないことを意味している。また、二酸化炭素排出がネットゼロになった場合、地表の温暖化が1.5~2℃で安定する可能性がある一方で、海面下の温暖化は少なくとも数百年継続する。このため、こうした時間スケールを考慮した科学的な海洋観測のシステムを開発する必要がある。海洋温暖化は海面上昇と同様、長期にわたる異常気象に影響を与え続け、超長期的に考慮する必要がある影響としては高潮、海岸侵食、海洋熱波、海洋酸性化、貧酸素化などがある。
情報源 | 中国科学院(CAS) ニュース |
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国・地域 | 中国 |
機関 | 中国科学院(CAS) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 温室効果ガス | 中国科学院 | 異常気象 | 温暖化 | 深海 | 海洋酸性化 | パリ協定 | 海洋温暖化 | ネットゼロ | 熱的慣性 |
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