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 アメリカ国立科学財団、南極の魚の病気の大量発生に気候変動が関与している可能性を報告

発表日:2022.07.18


  アメリカ国立科学財団(NSF)は、南極の魚に異常な病気が発生した背景には、気候変動が関与している可能性があるとの調査結果を報告した。10年にわたり、西南極半島において厳しい極地の環境に適応した魚のグループを調査している研究チームは、2018年、多くの魚に皮膚腫瘍を発見した。南極大陸で何年も調査をしている研究者たちも、この地域をよく知る他の多くの南極魚類学者も、このような規模の病気を見たことがなかった。南極付近の極寒の海を泳ぐ魚の多くは、血液の凍結を防ぐ特殊なタンパク質などを持ち、氷の環境に適応する独自の進化を遂げている、ノトテニア亜目と呼ばれるグループに属している。同腫瘍は寄生虫が原因で、アイスランドやノルウェーの天然魚で散発的に報告されているものだが、その感染経路はわかっていない。海水温の上昇と氷の融解、生態系の変化が魚に負担をかけ、病気にかかりやすくし、同地域の脆弱な生態系における大発生に寄与した可能性がある。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) ニュース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 自然環境
キーワード 気候変動 | アメリカ国立科学財団 | 南極 | 適応 | 寄生虫 | 魚 | 病気 | 西南極半島 | 皮膚腫瘍 | ノトテニア亜目
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