生物多様性と生態系サービスの経済的価値を分析する「生態系と生物多様性に関する経済学(TEEB)」プロジェクトの企業向け報告書が公表され、生物多様性に好影響を及ぼす企業こそが成長する、という結論が示された。同報告書によると、生物多様性損失による市場や消費者への影響が増大するなか、生態系や社会への配慮が足りない企業の製品を購入しないと考える消費者は世界中で80%以上にのぼるという。また、企業自身も、自然資源に経済価値があるとの認識を高めているとし、その成功モデルとして、多国籍鉱業企業リオ・ティント社の事例を紹介。同社は、生物多様性に好影響を及ぼすことを自主的目標に掲げ、自然保護分野の専門家と協力して地域の生物多様性評価システムを開発し、補償対策を開始しているという。同報告書ではさらに、企業活動の生物多様性への影響を測定するための、共通の基準や指標の開発を求めている。TEEBはドイツと欧州委員会の提案により2007年に始まったプロジェクトで、現在は国連環境計画(UNEP)の下で実施されている。TEEBの最終報告書は、2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議で発表される。
情報源 | ドイツ連邦環境省(BMU) プレスリリース |
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国・地域 | ドイツ |
機関 | ドイツ連邦環境省(BMU) |
分野 | 自然環境 環境総合 |
キーワード | 生物多様性 | ドイツ連邦環境省 | 生態系サービス | UNEP | 企業 | 環境経済 | 消費者 | COP10 | 自然資源 | 経済的価値 |
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