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 アメリカの科学者ら、氷河中に「保存」された溶存有機物は人間活動の産物と報告

発表日:2012.02.19


  アメリカ国立科学財団(NSF)の支援を受けた科学者チームが、氷河に閉じ込められた炭素を含む溶存有機物(DOM)を手掛かりに、氷河が産業革命以降の人間活動の影響を受けているとする研究結果を発表した。氷河は、その下流の沿岸生態系に炭素を供給する役割を持つが、こうして供給される炭素は、これまで古代の森林や泥炭地に由来すると考えられていた。研究チームは今回、アラスカ湾に注ぐメンデンホール氷河を中心に、氷河表層に含まれる有機物(DOM)を詳細に分析。その結果、これらが人間活動によるバイオマスや化石燃料の燃焼に由来することを突き止めた。これら燃焼によるブラックカーボン(煤)は、光を多く吸収して氷河の融解を加速させているという。また、チームは、DOMは氷河と共に移動し、食物連鎖の底辺である微生物のエサとなるため、海洋生態系にも影響を与えていることも報告。沿岸海洋へ流入する有機物が人間活動に起因する以上、炭素の量や質に敏感な海洋の食物連鎖が産業革命を境に激変している可能性を指摘した。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | 氷河 | 産業革命 | 有機物 | アラスカ | 炭素 | ブラックカーボン | 食物連鎖 | 海洋生態系
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