アフリカ・キリマンジャロ山の頂上付近の氷河が、今後20年以内にも消失するおそれがあるという研究成果が、オハイオ州立大学の研究者らによって公表された。2009年11月2日付米国科学アカデミー紀要(オンライン版)に掲載された研究成果によると、氷河が減少している主な原因は地球規模の気温の上昇にあるようだ。研究チームでは、キリマンジャロ山の氷河の減少に関するデータを集積したところ、4200年前にこの地域を襲い、約300年間続いた干ばつの際にも、氷河が融解した証拠はなかった。しかし、最近では、1912年に山を覆っていた氷河のうち、85%が2007年までに失われるなど、キリマンジャロ山をめぐる気候の状況は過去1万1000年でも特異な状況であることが明らかになった。氷河の減少によって地域の水資源に影響が及ぶという懸念も示されている。また、熱帯・亜熱帯地域の多くの氷河も、キリマンジャロ山と同様の状況にあり、地表や対流圏中・上層部の温度の上昇が原因の一部となっているのではないかという指摘がなされている。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 |
キーワード | 地球温暖化 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 水資源 | 氷河 | 気温上昇 | キリマンジャロ | オハイオ州立大学 |
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