欧州委員会は、化学工場等による大規模事故災害のリスク管理を強化するため、EUの大規模事故災害防止(セベソⅡ)指令を改正したセベソⅢ指令を施行した。セベソ指令は、大量の危険物質を扱う産業施設に対して、安全管理計画や緊急対策の策定、近隣住民への情報提供を義務付けたもので、現在、化学品や石油化学品、倉庫、金属精錬等の産業部門約1万施設が対象となっている。今回の改正では、EUのCLP規則における化学物質の分類変更を反映させるとともに、大規模事故災害の防止および情報公開を強化した。具体的な強化項目は、1)産業施設に起因する事故リスクや、事故発生時の対応方法に関する近隣住民への情報提供、2)同指令対象施設に関連する土地利用計画への市民参加に関する効果的な規則、3)情報提供や参加機会が適切に得られない市民のための司法制度の利用、4)産業施設の安全性を確保する検査基準の厳格化、である。EU加盟国は、CLP規則の新分類が完全適用される2015年6月1日以降、セベソⅢ指令の規則適用も義務づけられる。