(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所は、家畜ふん尿の汚水浄化処理過程から排出される一酸化二窒素を抑制する技術を開発したと発表した。一酸化二窒素は、二酸化炭素の300倍の温室効果があるとされる強力な温室効果ガスで、地球温暖化防止のために、発生抑制技術の開発が急務である。今回開発した技術は、炭素繊維担体に微生物を付着させて汚水を浄化する「炭素繊維法」で、付着した嫌気性微生物が汚水中の亜硝酸イオンおよび硝酸イオンを低減させて一酸化二窒素の発生を抑制する。養豚廃水を用いた検証では、処理中の一酸化二窒素の発生は従来の活性汚泥法と比較して90%以上低減され、また、処理後に残存する亜硝酸イオンおよび硝酸イオンの濃度も90%以上低減された。生物化学的酸素要求量(BOD)を指標とした有機物の処理能は、活性汚泥法と同等以上で、高い窒素除去能力を持っている。現在は実規模装置での試験を開始しており、今後は、試験装置のスケールアップを行い、実用化レベルでの温室効果ガス削減量の把握を進めていく予定という。
情報源 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 プレスリリース
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機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
分野 |
地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | BOD | 温室効果ガス | 農業・食品産業技術総合研究機構 | 汚水処理 | ふん尿 | 窒素 | 一酸化二窒素 | 炭素繊維 | 畜産草地研究所 | 家畜 |
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