新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、イタリア経済振興省・新技術エネルギー環境局(ENEA)と共同で、自励式交流・直流変換器の普及に向けた省エネルギー実証事業を実施することに合意し、基本協定書(MOU)を締結したと発表した。欧州地域では、電力安定化・系統強化、さらには再生可能エネルギーの拡大に対応するために、大電流送電が可能な高電圧直流送電(HVDC)システムの普及が進んでいる。自励式交流・直流変換器は、他励式よりも高速な制御が可能であり、他励式の適用が困難な弱い交流系統(電圧・周波数が不安定な系統。例えば、再生可能エネルギー電源が多数連系した系統など)や離島などの交流電源のない系統、多端子系統に適用される。今回の事業では、日本独自のHVDCシステム向け自励式交流・直流変換器を設置し、同技術の優位性と省エネルギー性能の検証を行う。同国内で得られた実証成果をもとにして、洋上風力発電等のHVDCシステムへの普及拡大を目指すという。