新日鉄住金エンジニアリング(株)は、静岡市、静岡大学等と連携し、シャフト炉式ガス化溶融炉から産出される溶融スラグの肥料登録申請を、農林水産省に対し行い、2017年3月27日付で仮登録されたと発表した。同社製シャフト炉式ガス化溶融炉から産出される溶融スラグは、約1,800度の高温で溶融されることにより高品質で安全性が高く、これまで累計200万トン以上を天然砂の代替品として有効活用されている。今回の肥料は、静岡市に納入したシャフト炉式ガス化溶融炉から産出される溶融スラグを利用したもの。肥料取締法により農水省に登録申請を行い、肥料効果及び安全性に係る審査が行われた結果、1)イネ科植物の生育に必要なケイ酸及びアルカリ分等が多く含まれている、2)溶融スラグの品質及び安全性が高いこと、が確認され、農業用の肥料として認められた。溶融スラグの肥料としての利用は、最終処分量の極小化という従来の社会貢献に加え、日本の食料自給率の改善や、イネの成長率増に伴うCO2吸収量の増という新しい形での貢献も期待できるという。