国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、東京工業大学、琉球大学、ブレーメン大学(ドイツ)、マサチューセッツ工科大学(米国)などの共同研究チームは、紀伊半島の南東に位置する熊野海盆における海底泥火山調査の結果を公表した。同研究チームは、熊野海盆の海底泥火山の頂上から200 mの柱状堆積物試料を採取し、天然ガス(メタン)の成因や生成された場所を、同位体地球化学・微生物学的手法による分析データと物理探査データを組み合わせた統合的な解析を行った。その結果、同海盆の海底泥火山には1)頂上から590 mの深さまでメタンハイドレートが存在し、2)そのメタン量は既往報告の約10倍に相当する約32億 m3と見積もられ、3)90%以上のメタンは微生物起源であること、さらに4)微生物によるメタン生成は主に海底下400〜700mの海盆堆積物の底部で行われていることを解明した。海底下1,000 m以上の深部で海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に形成された高温の地質体から、粘土鉱物の脱水によって排出された低塩分の水が、プレート境界断層から分岐した断層を通じて供給され、地下微生物のメタン生成を促進しているという。