京都大学と(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所らのグループは、樹木の乾燥枯死過程が段階的に起きていることを解明した。同研究グループは、小笠原諸島・兄島で同じ年齢の樹木「ウラジロエノキ(小笠原諸島の在来種)」が生育している調査地を選び、290個体の乾燥に対する反応を1年間追跡調査した結果、乾燥ストレスを強く受けた個体ほど落葉しやすく、成長率が低くなり、枯死する割合が高いことを見出した。一方、樹木個体の「葉量」を乾燥ストレス障害の指標に見立て、樹体内の水の通りやすさや、糖輸送能力・材の中に蓄積されている糖量の変化を調査分析したところ、既往の研究報告で唱えられてきた2つの仮説(通水欠損、糖欠乏)が段階的に枯死に関与していること、樹体内では障害が進むにつれて糖輸送の阻害、幹基部における糖の蓄積、糖の消費(枯渇)が進行することが明らかになった。森林に対する気候変動の影響を高精度で予測する道を開く成果であるという。
情報源 |
京都大学 研究成果
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機関 | 京都大学 森林研究・整備機構森林総合研究所 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 小笠原諸島 | 気候変動 | 森林総合研究所 | 京都大学 | 乾燥枯死 | ウラジロエノキ | 乾燥ストレス | 通水欠損 | 糖欠乏 |
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