(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)と名古屋工業大学は、両者のシミュレーション技術を融合させることで、太陽光の影響(日向/日陰)や、歩行者の居場所・年齢区分に応じた熱中症リスク評価が可能であることを実証した。この評価手法は、「気候変動適応技術社会実装プログラム(文部科学省)」の開発成果や応用実績などを踏まえて、(国研)科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業(超スマート社会の実現)の研究課題「自然と調和する自律制御社会のための気象情報インフラ構築」において開発されたもの。今回、解像度5 mまで精度向上を図った「暑熱環境予測シミュレーション」を用いて、2015年8月7日14時頃の東京駅周辺部の気温・湿度・日射量・風速を推定し、年齢区分を考慮し、人の生理応答などを加味して統合された「人体モデルシミュレーション」に得られた気象データを入力した結果、熱中症リスクの指標とされる発汗量や体温上昇を、年齢区分(成人/子ども)・地点別に評価可能であることが分かったという。