三洋電機(株)は、超薄型HIT太陽電池セルで、世界最高レベルの変換効率22.8%を達成したと発表した。一般に、HIT太陽電池などの結晶シリコン系太陽電池において、発電層であるシリコンウェハを薄型化することは、省資源・低コスト化につながる一方、光吸収量の減少などによる変換効率低下の要因にもなる。そのため、セルの薄型化とエネルギー変換効率の両立が最も重要な課題となっている。同社は今回、HIT太陽電池セルで培ってきた高効率化技術を踏襲しつつ、セル薄型化における課題であった性能低下を大幅に抑制できる技術を開発。その結果、従来の高効率太陽電池の半分以下のセル厚み(98μm)の超薄型HIT太陽電池で、世界最高レベルの実用サイズ変換効率22.8%を、研究レベルで達成した。今後、今回開発した技術の量産品への適用を進めるとともに、さらなる高効率化、低コスト化、省資源化を目指した技術開発に取り組むという。