(国研)物質材料研究機構(NIMS)などの研究チームは、毒性の低い材料を用いた「赤外線検出器」を開発した。この検出器には、複数の「光アンテナ(1 μm角)」をジグザグ配線した層(以下「独自開発層」)が用いられている。今回、厚さ4 nmの薄膜(量子井戸)に独自開発層を組み込むことで、電磁場が配線を伝わる時間を正確に調整し、すべての光アンテナの共鳴を維持したまま大きな電流を取り出すことに成功した。現在普及している赤外線検出素子には水銀、カドミウム、テルルが使用されているが、欧州連合の規制(RoHS指令)や水俣条約の発効に伴い、計測機器類における水銀等の継続的な使用が困難となりつつある。引き続き、室温下で感度を維持できるように改良を施し、環境にやさしい、高感度赤外線検出器の実用化に向けた研究開発を加速し、ガス分析や赤外線カメラ、赤外光源などのさまざまなデバイスの基盤構造としての応用なども追及していくという。
情報源 |
物質材料研究機構 プレスリリース
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機関 | 物質材料研究機構 日本大学 東北大学 |
分野 |
健康・化学物質 環境総合 |
キーワード | 水銀 | カドミウム | NIMS | 水俣条約 | テルル | 共鳴 | 赤外線検出器 | 光アンテナ | 量子井戸 | RoHS指令 |
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