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 京大など、四季のない熱帯の樹木に見られる明確な周期性を特定

発表日:2020.10.07


  京都大学と北海道大学は、熱帯にも植物の季節的な移り変わり(以下「植物季節」)があることを実証した。熱帯は温帯に比べて年間の気温変化が小さいため、乾季と雨季の交代や、エルニーニョ現象に由来する植物季節のみが存在すると考えられてきた。両大学は、熱帯林生態系では「樹木の葉」をめぐる動物や微生物の競争が起きており、東南アジアの赤道付近では植物季節に対するダイナミックな大気循環や局地的な気流の影響が想定されることから、マレーシア・北ボルネオの山岳における広域的な森林観測・気象観測を10年間継続実施した。今回、取得したデータ(標高:700~3,100 m、土壌タイプ:3種類)を解析した結果、同地では「リター(落葉落枝)」量に明確な12ヶ月の周期性があることを見い出された。また、独自開発した統計的手法を用いて葉のリター生産量と気象要因の関係を調査したところ、わずかな気温変化がリター生産の周期性を駆動していることが明らかになった。熱帯域における地球温暖化のボトムアップ的な影響が示唆されたという。

情報源 京都大学 研究成果
機関 京都大学 北海道大学
分野 自然環境
キーワード 地球温暖化 | マレーシア | 気流 | エルニーニョ現象 | 大気循環 | ボトムアップ | 植物季節 | 熱帯林生態系 | 北ボルネオ | リター
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