(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、同機構の産業技術研究助成事業の一環として、名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻の長野方星講師が、電力を用いることなく半永久的に大量の熱輸送を可能にするループヒートパイプ(LHP:毛細管現象を利用して熱源で奪った熱を放熱部まで受動的に輸送する二相流体熱輸送デバイス)技術を開発したと発表した。これまで、ヒートパイプは管全長にわたってウィック(ポンプ動力となる毛細管力を生み出す多孔質体)が存在することなどから長距離熱輸送および大量熱輸送が困難であった。一方、ループヒートパイプは、毛細管力を高めることが可能で、重力の影響も受けにくく長距離熱輸送が可能になるという。今回開発した技術により、高い熱輸送が実現され、また液冷ポンプシステムのような電力や機構を要することなく高い熱エネルギー輸送が実現できる見通しという。