岩手大学、島根大学および東京大学の研究グループは、土壌中からセシウム(Cs)を効率的に取り込む植物タンパク質の同定に成功した。原発事故などにより放射性Csで汚染された土壌において、植物を用いて浄化する「ファイトレメディエーション法」の実現が期待されているが、過去の知見では、Csの植物内輸送の際にはカリウムの輸送も行われ、土壌中カリウムが枯渇し、植物の育たない土壌になってしまうといった問題点が挙げられていた。同研究グループは、モデル植物(シロイヌナズナ)を使った過去の研究で、カドミウムやヒ素を輸送することが明らかになっているタンパク質(ABCタンパク質)に着目し、このタンパク質のうちABCG33とABCG37がCsの輸送に関与していること、更にはカリウムの輸送には関与しないことを明らかにした。土壌中のカリウム枯渇を招くことなく植物で放射性Csを吸収できる可能性を示すものであり、放射性Cs汚染土壌におけるファイトレメディエーション法の実現が期待できるという。
情報源 |
岩手大学 研究紹介一覧
島根大学生物資源科学部 トピックス(PDF) 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部 研究成果 |
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機関 | 岩手大学 島根大学 東京大学 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 東京大学 | 岩手大学 | 放射性セシウム | セシウム | ファイトレメディエーション | シロイヌナズナ | 島根大学 | 原発事故 | 植物タンパク質 | ABCタンパク質 |
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