国内ニュース


 東大など、ダニが旺盛な農地のN2O排出量緩和メカニズムを発見

発表日:2021.03.05


  東京大学と新潟県農業総合研究所の共同研究グループは、畑土壌に生息するケダニやササラダニの働きにより、農地に由来するN2Oが緩和されていることを実証した。同研究グループは、農地由来N2Oの排出削減が喫緊の課題となっていることから、隙間が豊富で軽量・安価な土壌改良資材のひとつである「ココナッツ繊維(ココナッツハスク)」などを圃場に施用し、作物栽培期間中の土壌中で起きている現象を詳細に分析した。その結果、ココナッツハスクの隙間にケダニ等が生息し、土壌粒子上でN2Oを生成する糸状菌の菌糸を摂食している様子が観察され、ココナッツハスクと粒状有機質肥料を施用した「圃場」ではケダニ等の個体数が5倍程度増加することや、土壌からのN2O排出量はほぼ半減することが分かった。また、いったん菌食性土壌動物を除去し、肥料、ココナッツハスクと菌食性土壌動物を添加した実験では、個体数が2倍程度増加し、ココナッツハスク等施用土壌がケダニ等の住み家となっていることが確認された。これまでに報告例のない新たな発見であるという。

情報源 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部 研究成果
機関 東京大学 新潟県農業総合研究所
分野 地球環境
水・土壌環境
キーワード 東京大学 | N2O | 農耕地 | 糸状菌 | ココナッツ | ケダニ | ササラダニ | 土壌改良資材 | ココナッツハスク | 菌食性土壌動物
関連ニュース

関連する環境技術