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 (独)理化学研究所など、温室効果ガス「亜酸化窒素」を発生させる酵素の立体構造を世界で初めて解明

発表日:2010.11.26


  (独)理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センターの城研究室と、京都大学、金沢大学らの研究グループは、温室効果ガス「亜酸化窒素(N2O)」を発生させる酵素の立体構造を世界で初めて解明した。N2Oは、CO2の約300倍もの温室効果があり、その多くは、土壌や海水中の微生物が、呼吸酵素(NOR)を用いて「脱窒」と呼ばれる呼吸をする際に生産されている。近年、人類による窒素系肥料の使用でN2Oの排出量が増加しているため、地球温暖化防止の観点から、微生物の脱窒過程におけるNORの反応機構や機能の解明が期待されていた。今回の研究では、大型放射光施設SPring-8を用いたX線結晶構造解析により、NORの立体構造を解明。その結果、NORの活性中心にある2つの鉄原子が、一酸化炭素(NO)をN2Oに置換していることを突き止めた。今回得られた構造情報は、N2Oの排出量抑制を考える上で重要であるとともに、太古の生物における呼吸酵素の分子進化の仕組み(嫌気呼吸から酸素呼吸へ)を議論するための手がかりになるという。

情報源 (独)理化学研究所 プレスリリース
(独)科学技術振興機構 共同発表
京都大学 お知らせ
機関 (独)理化学研究所 (独)科学技術振興機構 京都大学 金沢大学
分野 地球環境
キーワード 温室効果ガス | 科学技術振興機構 | 理化学研究所 | 京都大学 | N2O | 亜酸化窒素 | 酵素 | 脱窒 | NOR | 金沢大学
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