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 東工大など、生分解性プラスチックの実用性向上技術を開発

発表日:2021.04.21


  東京工業大学、理化学研究所、東京農業大学およびアイダホ大学は、一部の細菌がエネルギーや炭素貯蔵物質として細胞内に大量蓄積する脂肪族ポリエステル(以下「微生物ポリエステル」)に熱安定性などを付与する技術を開発した。「微生物ポリエステル」は生分解性を示すプラスチック素材であるが、熱安定性が低く、緩慢な結晶化挙動を示すといったことが実用化の妨げとなっていた。今回の研究開発は「溶融加工性」の向上を目指して行われた。生物の突然変異と淘汰の繰り返しによる進化を試験管内において実験的に高速で再現し、生体分子の機能や性能を改変する「進化分子工学」の手法によって作製した酵素を用いて、チグリン酸を出発物質として、α炭素がメチル化された微生物ポリエステル(以下「P(3H2MB)」)を生合成する経路を大腸菌のなかに構築することに成功した。P(3H2MB)の融点は微生物ポリエステルとしては最高レベルの197℃で、結晶化は従来より約70℃高温側においても素早く進むことを示した。透明かつ柔軟といった特長も有しており、P(3H2MB)による石油プラスチック代替が期待できるという。

情報源 東京工業大学 研究最前線
理化学研究所 クローズアップ科学道
機関 東京工業大学 理化学研究所 東京農業大学 アイダホ大学
分野 水・土壌環境
環境総合
キーワード 酵素 | 脂肪族ポリエステル | 微生物ポリエステル | 熱安定性 | 溶融加工性 | 進化分子工学 | チグリン酸 | メチル化 | P(3H2MB) | 石油プラスチック代替
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