横浜国立大学は、知床の自然林再生エリア内に分布するカラマツ造林地が、同エリア内の在来種(トドマツ、シラカンバ、アカエゾマツ等)の生育を助けていることを明らかにした。カラマツ天然林の北限は宮城県と山形県の県境付近で、同地のカラマツは人為的に導入されたもの。同大学は、自然林再生において排除の対象となる外来種の役割を解明するために、リモートセンシングデータ(航空機 LiDARデータ)と現地観測データを用いて、カラマツ造林地による風の乱れやシカの過採食による影響を評価した。その結果、カラマツ造林地との距離が近い在来種樹林ほど樹高が高くなり、樹木が健全に生育していることが分かった。外来種であるカラマツが、強風やシカの過採食などの緩衝材となり、在来種の生育環境を守り助ける「ナースプランツ(看護植物)」の役割を果たしている可能性が示唆された。外来種をすべて排除するのではなく、生態系の一部として許容する復元の在り方を支持する知見であるという。
情報源 |
横浜国立大学 プレスリリース
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機関 | 横浜国立大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | リモートセンシング | 知床 | 在来種 | カラマツ | 強風 | LiDAR | 過採食 | 緩衝材 | ナースプランツ | 生態系復元 |
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