名古屋工業大学は、熱中症で救急搬送される高齢者に著しい「体温調節機能の低下」と「脱水症状」が生じることを実証した。同大学は、人体温熱シミュレーション技術を開発し、2020年以降は名古屋市消防局と共に現場への実装を視野に入れた応用研究に取り組んでいる。今回、同市の熱中症救急搬送者の過半を占める「高齢者」の多くが自宅で発症するプロセスの解明に向けて、2019・2020年の救急搬送状況に関するビックデータ(1,299人分)を取得し、搬送者を個別に模擬する解析を行った。測定結果から、高齢の発症者のうち30%は搬送時の体温が38.5°C以上となることが分かり、屋内では屋外よりも幅広い時間帯で発症することが明らかになった。また、体温調節機能の低下などを考慮したシミュレーションの結果、モデル年齢(65歳、75歳)の深部体温の経時変化を気象条件に応じて解析、可視化することが出来た。一方、測定結果と「発汗がない場合」を想定したシミュレーション解析結果の比較を通じて、暑さを感じていないために汗がかけない、あるいは搬送当日の食事や水分摂取のみならず、数日間の水分補給不足の積み重ねによって引き起こされることが示唆された。
情報源 |
名古屋工業大学 プレスリリース
名古屋工業大学 先端医用物理・情報工学研究センター プレスリリース |
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機関 | 名古屋工業大学 名古屋工業大学 先端医用物理・情報工学研究センター |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | 熱中症 | 高齢者 | 深部体温 | 水分補給 | 脱水症状 | 救急搬送 | 体温調節機能 | 人体温熱シミュレーション | 名古屋市消防局 | ビックデータ |
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