(株)カネカは、生分解性ポリマーの新規採用実績を紹介した。同社は、1990年代初頭に脂肪族系ポリエステル(PHA)の生産・蓄積能を有する微生物を事業所内で発見し、当該微生物の発酵特性を活かした高分子材料の開発や実用化研究を進めてきた。これらの取組は「生分解性」を呈するPHBH材料の製品化に発展しており、顧客と連携を図りながら、ストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材などの用途開発が進められている。その一環として、厚生労働省等のポジティブリストをはじめ、欧米の食品接触物質リストへの登録が行われ、2017年には海水中での生分解性に係わる海外機関の認証も取得している。また、年間5,000 トン規模の製造実証設備を整備し、量産化技術の確立を進めており、大手コンビニチェーンでは同社の生分解性ポリマーを使用したストローやカトラリーが既に採用されている。今回、「海洋汚染低減」に貢献する点が高く評価され、環境配慮型商品(ECO商品)の拡充を積極的に進めている(株)大創産業に同社の生分解性ポリマーが新たに採用された。「自然にかえるストロー」という商品名で、2022年1月中旬より都心部のダイソー店舗で順次発売され、同月内に2,500店舗以上で展開される。「カネカは世界を健康にする。KANEKA thinks “Wellness First”.」という考えのもと、ソリューションプロバイダーとしてグローバルに価値を提供し、今後も生分解性ポリマーの展開を通じて環境汚染問題の解決に貢献していくと述べている。