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 極地研とJAXA、南極域の海氷面積が衛星観測史上最小を記録したと発表

発表日:2022.04.28


  国立極地研究所(極地研)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2022年2月20日に南極の海氷域面積が最小を記録したと発表した。南極・北極の海氷域面積は1978年から衛星観測されており、地球温暖化の影響に関する研究などに役立てられている。極地研とJAXAが、北極域研究加速プロジェクト「ArCSⅡ」の一環として、水循環変動観測衛星「しずく(GCOM-W)」の観測データをもとに、両極域の海氷面積の時間的・空間的な変化を可視化し、ウェブサイトで公開している。南極の海氷域面積(年平均値など)は、北極に比べて年最大値と年最小値の差が大きく、最大値は長期的な増加傾向を示している(2022年1月31日気象庁発表)。今回、南半球の夏にあたる2月に、南極大陸周辺の海氷面積データに特徴的な変化が現れていることが分かった。2021年9月頃までは海氷面積の顕著な減少は見られていなかったが、10月頃から徐々に減少傾向が見られ、2021年12月までは史上3番目程度の小ささで推移した。2022年に入ってからは、極端な減少は見られないものの海氷面積は比較的小さい状態のまま推移し、2月以降も減少傾向が継続した。その結果、2022年2月20日に212.8万km2となり、年間を通じての観測史上最小値を更新するに至った。過去10年間(2012~2021年)の年間最小面積(平均値)は290.2万km2であったことから、2022年の年間最小面積はその73.3%に相当する。海氷(海水が凍結して形成された氷、氷山は除く)については、面積のみならず、厚さや表面状態も重要な情報となってくる。極地研は、現行の観測衛星「しずく」のデータ解釈や、諸情報の質的向上を図る上で、現場観測との連携が一層重要になるとしている。JAXAは、「しずく」に搭載されているセンサ(空間解像度:約15 km)の後継センサ「AMSR3」を搭載した、GOSAT-GWの打ち上げを準備している。

情報源 国立極地研究所 研究成果
機関 国立極地研究所 (国研)宇宙航空研究開発機構
分野 地球環境
キーワード 南極 | 海氷 | しずく | 海氷域面積 | 衛星観測 | GCOM-W | GOSAT-GW | ArCSⅡ | 観測史上最小値 | AMSR3
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