(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2012年の北極海氷面積が観測史上最小を記録したと発表した。JAXAでは、2012年7月3日から第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)による地球の観測を継続してきた。今回、マイクロ波放射計が観測した海氷データを解析した結果、北極海氷の面積が衛星観測史上最小だった2007年(425万平方km)より下回り、8月24日現在で421万平方kmまで縮小したことを確認した。今年は春の段階で、北極海のほぼ半分の海域が薄い一年氷(前年の夏以降に生成した氷)で広く覆われていたことが衛星画像の解析から分かっており、近年の北極域の温度上昇などに伴い、海氷が薄くなっていると推定されている。北極海氷は例年、9月中旬から下旬にかけて海氷面積が最小になるため、北極海氷の融解は、まだしばらく続く見込みである。JAXAでは、今後も「しずく」による北極海氷の監視を続け、最新の状況を報告する予定。