農林水産省は、J-クレジットにおいて農業分野の方法論(水稲栽培における中干し期間の延長)に基づく取組として新たに4件を承認した。第57回J-クレジット制度認証委員会において、「水稲栽培における中干し期間の延長」の方法論に取り組む案件として「(一社)Co」、「NTTコミュニケーションズ(株)」、「クレアトゥラ(株)」によるプロジェクトを承認した。また「空調設備の導入」の方法論に取り組む案件として「九州電力(株)」によるプロジェクトを承認した。水田から発生するメタンは、土壌や肥料に含まれる有機物から、メタン生成菌の働きにより生成される。メタンの発生を減らすには、水稲栽培の中干し期間を7日間延長することで、メタン発生量を3割削減できる。水田のメタン排出は、我が国のメタン排出量の約4割を占め、排出削減は、みどりの食料システム戦略や政府の地球温暖化対策計画にも位置付けられている。中干し期間を、直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長することで、削減量分の「クレジット」認証を受けることができる。今回の登録により、J-クレジット制度の登録件数は、農業分野で21件、農業分野の方法論に基づく取組で11件となるという。