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 諏訪湖の水位は短い周期の気候変動に応答していた!

発表日:2024.04.30


  自然起源の気候変動は2~10万年スケールで氷期(寒冷期)と間氷期(温暖期)を繰り返してきたと考えられている(例:ミランコヴィッチサイクル)。一方、比較的短い周期(数百~数千年スケール)の気候変動パターンも知られており、陸域環境への影響が多数報告されている。―――長野県環境保全研究所と信州大学山岳科学研究拠点の研究グループは、長期間にわたって堆積した堆積物コアを用いて、過去1万6000年にわたる諏訪湖(最大水深:約7 m)の水位変動を復元し、短周期の気候変動との関係を解析した。その結果、諏訪湖の水位は数百~数千年ごとに上昇と低下を繰り返していたことが明らかになった。また、約1万2000年前と約8000~7000年前には大規模な水位低下が起きていたことも判明した。この期間は世界的な寒冷期に一致し、東アジアでは乾燥化が進んでいた時期でもあることから、諏訪湖の水位が短周期の気候変動に応答してきた可能性が示唆された。本成果は、地球規模の気候変動が本邦の湖沼生態系にどのような影響を与えるかを理解する上で重要な手がかりとなり得るものであり、他の内陸湖や地域の水系における同様の調査実施と知見の蓄積が期待される(DOI: https://doi.org/10.1016/j.geomorph.2024.109194)。

情報源 長野県環境保全研究所 最近のトピックス
信州大学山岳科学研究拠点 トピックス
機関 長野県環境保全研究所 信州大学山岳科学研究拠点
分野 地球環境
自然環境
キーワード 気候変動 | 東アジア | 堆積物コア | 諏訪湖 | 乾燥化 | 水位変動 | 短い周期 | 短周期 | 寒冷期
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