(独)国立環境研究所の中路NIESポスドクフェローらの研究グループは、衛星観測などで広く利用されている分光反射画像の解析技術を地中の植物生態研究に応用し、近赤外波長域の反射画像をもとに、植物の根の生死の判断や地中の有機物と土壌の分類精度を格段に向上させることに成功した。地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の吸収・放出源として森林の機能を評価する際、根や土壌有機物の量やその動態の解明が重要である。今回開発した観測技術を活用すれば、これまで解析が難しかった地中の炭素動態研究を大幅に効率化することができる。地中の生態研究における近赤外分光画像計測の応用は国内外で初めての試みであり、今後は、様々な環境条件での検証とともに、野外観測で汎用性の高い小型分光センサなど、実用化に向けた研究開発を進めるという。