北海道大学大学院先端生命科学研究院の塚本助教らの研究グループは、南極に生息する細菌がプロテオロドプシンと呼ばれる光受容体タンパク質を介して極限環境を生き抜く仕組みを解明した。本研究は、Hymenobacter nivis(H. nivis)という南極の赤雪由来の好冷性細菌を用いて行われ、光で活性化するプロテオロドプシンの機能とH. nivisの光応答性を結びつけることに成功した。H. nivisは光を受けるとプロテオロドプシンを介して細胞内外にプロトン駆動力を作り、これを利用してアデノシン三リン酸(ATP)を合成し、細胞増殖に利用することが明らかになった。また、南極の低温環境に適応したプロテオロドプシンの機能も解明された。この研究成果は、2024年9月17日にBiochemistry誌に掲載された。