名古屋工業大学生命・応用化学類の加藤邦彦特任助教と白井孝准教授らの研究グループは、酸化モリブデン(MoO₃)/カーボン系複合粒子の常温・短時間合成プロセスを開発し、優れた水質浄化・淡水化用触媒材料を発見した。この新手法は、太陽光のエネルギー領域をほぼ100%カバーする光吸収性を持ち、光熱変換効果を利用した急速水蒸発や光触媒・酸触媒機能による水質汚染物質の分解、重金属イオンの吸着除去に優れている。従来の技術では困難だった光吸収範囲の制限を克服し、実験では高い水蒸発速度とエネルギー変換効率を示した。また、光を照射しない状態でも汚染物質や重金属を高効率で除去できることが確認された。この研究成果は、飲料水の安定供給に向けた技術開発を大きく加速させることが期待される。