鳥取大学と東京大学の共同研究グループは、廃プラスチックの主成分であるポリオレフィン(PO)の分解に関する新たな化学リサイクル法を発見した。──生態系の保護や炭素資源の循環(カーボンニュートラル化)のため、廃プラスチックのリサイクルが求められている。POは長い分子形状を持つアルカンであり、ゼオライトのミクロ細孔の壁面にアルカン分解の触媒機能を持つ強酸点が存在する。400℃程度でPOはゼオライト触媒上で分解されるが、高温で溶融した後にも高い粘度を示し、器壁に付着して副反応を起こすことが問題であった。今回の研究では、ゼオライトのミクロ細孔壁面の強酸点による形状選択的触媒作用をプラスチック化学リサイクルに応用し、溶媒は反応しないようにした。その結果、極小細孔を持つMFI型ゼオライトの直径0.55 nmのミクロ細孔内でPOは分解し、ナフサなど有用成分に転換され、直径0.6 nmの分子を持つシクロオクタンを溶媒とすると細孔に入らず回収できることが実証された。この成果は、他の物質を消費せずにPOをその原料であるナフサなどに戻すという、新たなリサイクルの考え方を提示するものとなっている
情報源 |
鳥取大学 プレスリリース
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機関 | 鳥取大学 東京大学大学院工学系研究科 |
分野 |
ごみ・リサイクル |
キーワード | 廃プラスチック | カーボンニュートラル | ポリオレフィン | ゼオライト | ナフサ | 化学リサイクル | シクロオクタン | ミクロ細孔 | 強酸点 | 副反応 |
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