東京ガスは東京都と協定を締結し、グリーン水素と下水汚泥由来のCO2を活用したe-メタン製造の実証事業を開始した。
e-メタンとは、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を合成して得られる合成メタンであり、カーボンニュートラル社会の実現に向けた次世代エネルギーの一つとして注目されている。
今回の実証では、東京都大田区の京浜島で製造されるグリーン水素と、昭和島の森ヶ崎水再生センターで発生する下水汚泥由来の混合ガス(CH4 とCO2)を原料とする。従来、バイオガスからCO2を分離して利用する手法が一般的であったが、本事業ではCH4とCO2を分離せずにそのまま供給し、メタネーション装置でe-メタンを製造するという国内初の試みが採用されている。これにより、分離工程の省略によるエネルギー効率の向上やコスト削減が期待される。製造装置はIHI製で、製造能力は12.5 Nm³/h。水素は水素カードルにより輸送される。事業期間は2025年4月から2027年3月までで、2026年度中の製造開始を予定している。東京都は最大3億円を負担する。今回の取り組みは、これまでの知見を活かし、e-メタンの地産地消モデルの実用化に向けた課題抽出と普及促進を目的としている。