愛媛大学と農研機構らの研究グループは、農地土壌から発生するN2Oを消去する微生物の群集活性が、土壌団粒内の孔隙ネットワークによって大きく制御されることを明らかにした。──今回、研究グループは、農耕地土壌から採取した土壌団粒を対象に、X線マイクロCTと微小電極を用いて団粒内の孔隙ネットワークと化学条件を詳細に解析した。その結果、土壌団粒内に存在する閉じた孔隙(Closed孔隙)が多い団粒内部では無酸素環境が形成され、N2O消去微生物の群集割合が大きく上昇することが判明した。特に、黄色土などの粘土質土壌では、団粒自体がN2O消去のホットスポットとして機能することが示された。──本成果は、土壌団粒のミクロスケールでの孔隙ネットワークがN2O消去微生物の活性を制御することを初めて突き止めたものであり、土壌のN2O発生・消去メカニズムの解明や、N2O発生抑制を目的とした土壌管理法の開発に資する基礎的な知見を提供するものである。
情報源 |
愛媛大学 プレスリリース
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機関 | 愛媛大学 農研機構 東北大学 |
分野 |
地球環境 水・土壌環境 |
キーワード | 土壌団粒 | 孔隙ネットワーク | N₂O消去微生物 | 無酸素環境 | X線マイクロCT | 微小電極 | 黄色土 | 粘土質土壌 | N₂O発生抑制 | 微生物資材 |
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