鹿児島大学の研究チームは、ナイロン分解酵素を用いてナイロンモノマー化する新しい手法を開発した。この手法は、化学的前処理と酵素的加水分解を組み合わせることで、ナイロンの効率的な分解を実現するものである。本研究は、1970年代に発見されたナイロン分解酵素(Nylシリーズ)を用いて、ナイロン-6およびナイロン-6,6を分解する実験を中心に組み立てられている。実験では、ナイロンの90%以上が分解され、モノマー化が確認された。さらに、ライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた環境影響評価も行い、環境負荷の低減に寄与することが示された。この研究は、NEDOやJSPSの支援を受けて行われたもので、ナイロン廃棄物のリサイクル技術として注目されており、今後の実用化が期待される(掲載誌:PLOS One)。