(独)物質・材料研究機構は、飲料水に含まれる有毒ヒ素を容易かつ迅速に吸着・除去できる除去材を開発した。現在、アジア、南米、アフリカ地域の地下水が広範囲でヒ素に汚染されている。この水を長期間摂取すると健康障害が引き起こされるため、長年にわたり、国連や各国政府が対策を講じようとしているが、安価かつ簡便で日常の飲料水の処理に使いやすいヒ素除去方法の開発は困難だった。今回開発した除去材は、鉛(Pb)・水銀(Hg)などの重金属イオンセンサ、コバルト(Co)・パラジウム(Pd)等のレアメタル吸着回収材料、セシウム(Cs)・ストロンチウム(Sr)等の放射性元素吸着材料としてこれまで開発してきた材料を発展させたもので、高秩序メゾポーラス構造(HOM)と呼ばれる多孔質物質の内壁に、ヒ素を感知して優先的に捕獲する官能基を敷き詰めたもの。水中に微量のヒ素が存在すると、それを速やかに吸着・除去するとともに、吸着した段階で色を変えて知らせることもできるため、検出・除去の確認を容易に行うことができる。同研究所では今後、大量の水処理プラントだけではなく、個人レベルでも容易に使用できる技術として、発展途上国などでの普及に取り組んでいくという。
情報源 |
(独)物質・材料研究機構 プレスリリース
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機関 | (独)物質・材料研究機構 |
分野 |
健康・化学物質 水・土壌環境 |
キーワード | 物質・材料研究機構 | 地下水 | 吸着 | アジア | 飲料水 | 発展途上国 | 除去 | ヒ素 | 多孔質物質 |
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