（独）農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所は、千葉県畜産総合研究センター、太平洋セメント（株）、小野田化学工業（株）と共同で、畜産排水の脱色・リン回収・消毒を同時に行う高度処理システムを開発したと発表した。リンは、水質汚濁の原因物質である一方、世界的に枯渇が危惧される貴重な資源のため、汚水からの回収と利用は環境及び省資源の両面で効果を発揮する。今回開発したシステムは、ケイ酸と消石灰からなる新開発の非晶質ケイ酸カルシウム水和物（CSH）を利用したもの。畜舎汚水処理で従来から問題となっていた浄化処理水の着色を除去すると同時に、病原性微生物の指標となる大腸菌群を99%以上除去し、さらに排水中のリンを回収して肥料として利用できる。これにより、畜産分野での汚水処理の高度化、肥料資源の回収・活用に寄与できるという。